著者: SportsPulse 編集部 / 更新日: 2026年8月11日 / 編集部レビュー済み
8月21日、F1はザントフォールトで再開します。第12戦オランダGP。ここでホンダは、2026年シーズンで最初にして——現時点の計画では唯一の——パワーユニット(PU)アップグレードを投入します。
ただ、この一手を「ホンダが新エンジンを持ち込む」というニュースとして読むと、いちばん面白い部分を取り逃がします。2026年のF1では、シーズン中にPUの中身を変えること自体が、原則として禁じられているからです。ホモロゲーション(型式認証)された仕様は、基本的に1年間そのまま。それを開けられるのは、ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities=追加開発・アップグレード機会)という制度に該当したメーカーだけです。
つまり今回のオランダGPは、「ホンダが頑張った話」であると同時に、2026年から始まった新しいルールが、実際にどうグリッドの勢力図を動かすのかを見る最初の実証実験でもあります。
この記事では、①ADUOという制度の設計、②ホンダの「振動問題」がいつ・どこで起きていたのか、③「解決した」という当事者発言が何を指しているのか、④アストンマーティンとの巻き返しの現在地、⑤残り12戦にどう効くのか——を、公式文書と当事者の発言に絞って読み解きます。
結論:ADUOは「性能調整」ではなく「コストキャップの緩和」。ホンダは4%以上の遅れと判定されて今季2回の権利を得たが、あえて1回に絞り、8月21〜23日のオランダGP(第12戦・スプリント開催)に集中投入する
先に要点を6つ。
①ADUOの正体——FIAがシーズンを3区間に分け、各メーカーの内燃エンジン(ICE)の性能指数を計測し、トップから2%以上遅れたメーカーに追加開発の機会を与える制度です。FIAシングルシーター・ディレクターのニコラス・トンバジ氏は公式解説で「ADUOはバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)の類ではない」と明言しています。実体はコストキャップの緩和です。
②閾値は2%と4%——2%以上4%未満なら今季1回+翌季1回、4%以上なら今季2回+翌季2回のホモロゲーション・アップグレードが認められます。
③ホンダは「4%以上」判定——今季1回目の査定でレッドブル・フォードが基準(ベンチマーク)エンジンとされ、ホンダはフェラーリ・アウディとともに4%以上の遅れと判定されたと各媒体が報じています。メルセデスは2%超で1回。
④それでもホンダは1回だけ使う——2回使える権利がありながら、今季の投入はオランダGPの1回に絞る方針です。同じ判断をアウディも下しています(アウディは第7戦バルセロナで1回使用済み、2回目は2027年へ)。
⑤改良は「エンジンの中だけ」——HRCの折原慎太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアによれば、変更点は燃焼室形状とプレチャンバー(副室)、潤滑システムによるフリクション低減、そして信頼性。すべて内部変更のため、アストンマーティン側の車体を作り直す必要はありません。
⑥ただし「一発逆転」ではない——折原氏自身が「F1に魔法は存在しません」「メルセデスやRBPTに一歩で追いつくとは思っていません」と語っています。ここは冷静に読むべきところです。
1. ADUOとは何か — 「エンジンを強くしてもらう制度」ではない
まず制度から。ここを誤解したまま読むと、以降の判断がすべてズレます。
1-1. 何を測っているのか
FIAは2026年から2030年までの各シーズンについて、決められた期間ごとに、各PUメーカーが供給する内燃エンジン(ICE)部分の性能をモニタリングし、「ICEパフォーマンス・インデックス」を算出します。
FIA公式解説によれば、算出にはインプットシャフト・トルク、エンジン回転数、MGU-Kの出力、そして「パワーがラップタイムに与える感度」の重み付けが使われます。計測は実走行ラップ上の車載データから取られます。
重要なのは、FIAが自ら次のように但し書きを付けている点です。
「ADUOの査定はICE単体に焦点を当てているため、パワーユニット全体の性能を代表するものではない。ERS(エネルギー回生システム)が全体の出力に決定的な役割を果たしているからだ」
(出典: FIA公式「Power Ups: How F1’s Additional Development Upgrade Opportunities will be applied and what’s changing」2026年5月13日/一次)
さらにFIAは、流体温度や車体外部の空力といった「ICE性能に影響しうる変数」も車載計測の一部として取り込まれ、補正は一切かけないことを、当初からメーカー間で透明に議論してきたと説明しています。つまり「素のエンジン単体の力」ではなく、「その車に載った状態でのICEの出方」を測っている——ここが、後述するレッドブル側の異議の火種にもなっています。
1-2. 実体はコストキャップの緩和
ADUOで最も誤解されやすいのが、この点です。FIAシングルシーター・ディレクターのニコラス・トンバジ氏は、公式解説の中でこう述べています。
「ADUOが一種のバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)の仕組みではない、ということをはっきりさせておくことが重要だ。チームやメーカーが突然、より多い燃料流量を得たり、バラストが増減したりするわけではない。実際にはコストキャップの緩和メカニズムであり、査定期間中にADUOの基準を満たしたPUメーカーが、上限の引き下げ調整を通じてエンジンを開発する機会を与えられる、というものだ」
「これは魔法の弾丸ではないし、FIAが遅れている者にご褒美を配っているわけでもない。技術規則が定めた枠組みの中で、パワーユニットを開発する余地を与えるにすぎない」
(出典: FIA公式/F1公式「EXPLAINED: What is F1’s ‘ADUO’ engine upgrade system」2026年5月18日/いずれも一次)
具体的な金額まで公開されています。2026年F1規則第E4.1.1.t条が、遅れ幅に応じてコストキャップ計算の外側で認められる開発費の枠を定めています。
1-3. 【表1】ADUOの段階表(FIA公表値)
| ベンチマークICEからの遅れ | コストキャップ外で認められる開発枠(1査定期間あたり) | 当年のアップグレード権 | 翌年のアップグレード権 |
|---|---|---|---|
| 2%未満 | なし | 0回 | 0回 |
| 2%以上4%未満 | 最大 300万ドル | 1回 | 1回 |
| 4%以上6%未満 | 最大 465万ドル | 2回 | 2回 |
| 6%以上8%未満 | 最大 635万ドル | 2回 | 2回 |
| 8%以上10%未満 | 最大 800万ドル | 2回 | 2回 |
| 10%以上 | 最大 1,100万ドル+(2026年に限り)将来期間から最大800万ドルの前倒し | 2回 | 2回 |
※金額は各ADUO査定期間ごとの枠。アップグレード権の回数は技術規則 付則C5 第4.3条による。(出典: FIA公式/F1公式・いずれも一次)
この表を見ると、制度の思想がはっきりします。遅れているメーカーには「速さ」ではなく「お金と手数」が配られるのです。開発するのはあくまで自分たち。トンバジ氏の言う「勝つには結局、最良のエンジンを作らなければならない」というのは、そういう意味です。
1-4. 査定は年3回、しかも「最初に該当したときだけ」
2026年技術規則 付則C5 第4.2条は、シーズンを3つの査定期間に分けています。当初は第1〜6戦/第7〜12戦/第13〜18戦の予定でしたが、中東情勢の影響で開幕期のカレンダーが変動したため、FIAは以下のように調整したと公表しています。
1-5. 【表2】2026年のADUO査定期間(FIA公表・2026年5月13日時点)
| 期間 | 対象ラウンド(FIA公表時の表記) | 結果通知 | アップグレード投入可能時期 |
|---|---|---|---|
| 第1期 | 開幕5戦(オーストラリア/中国/日本/マイアミ/カナダ) | カナダGPの2週間後まで | 通知後の次戦以降 |
| 第2期 | 第6〜11戦(モナコ〜ハンガリー) | — | 通知後の次戦以降 |
| 第3期 | 第12戦(オランダ)〜第18戦(メキシコシティ) | — | 通知後の次戦以降 |
(出典: FIA公式「Power Ups…」2026年5月13日/一次)※後述するとおり、この「第18戦=メキシコシティ」という表記は、現行カレンダーとはラウンド番号がずれています。
そのうえで、制度には3つの制約がかかります。
- 累積しない——シーズン内でアップグレード権は積み上がりません。FIAは「ADUOのホモロゲーション・アップグレードはシーズン内で累積せず、そのPUメーカーが最初に該当と査定された機会にのみ付与される」と明記しています。
- 繰り越せない——「そのシーズンの最終戦までに使わなかった枠は失効する」。2026年分の権利を2027年に持ち越すことはできません。
- 最終期だけの救済はない——「シーズンの最初の2期でADUOを得られなかったメーカーは、同一シーズンの最終期でもADUOの対象にならない」。
1-6. 何を触っていいのか
査定の物差しはICEですが、改良できる範囲はICEに限りません。FIAが挙げる許可対象は、ICEの一部要素、排気系、ターボチャージャーとウェイストゲート/ポップオフ、ICEおよび排気マウントの電装部品とセンサー、ERS(および付随する冷却系)、MGU-K、車両のコントロール・エレクトロニクス、さらに一部の油圧機能・流体・バラストです(技術規則 付則C4 表1)。
ホンダが今回選んだのは、この幅広いメニューのうちICEの内部だけでした。その理由は次章以降で見えてきます。
2. 「振動問題」はどこから始まっていたのか — 1月にはすでに兆候があった
2-1. 起きていたこと
2026年、ホンダはアストンマーティンのワークスPUサプライヤーとしてF1に本格復帰しました。エイドリアン・ニューウェイをチーム代表に迎えた新体制と、新規定PU「RA626H」。期待値は高かった。
しかし実際に起きたのは、バッテリー由来の激しい振動、信頼性不足、エネルギーマネジメントの問題が同時に重なる状況でした。日本の専門媒体 Formula1-Data は、アストンマーティン・ホンダが「開幕8戦で9度のリタイア」を喫し、予選では「一貫してトップから2秒以上」離される競争力不足に苦しんだと報じています(2026年7月2日/二次)。
症状の深刻さを物語るのが、ニューウェイの証言です。F1-Gateの報道によれば、ニューウェイは後に、この振動がフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの手に神経障害を引き起こす可能性まで懸念していたことを明かしています(2026年8月6日/二次)。マシンが遅い、という次元の話ではなかったということです。
2-2. 「1月に判明していた」
ここが今回のいちばん重い証言です。折原慎太郎氏は、RacingNews365の独占インタビューで、問題がバーレーンテストや開幕戦で突然現れたのではないと語っています。
「状況は突然悪くなったわけではなく、少しずつ悪化していました」
「今年の1月になって、状況が悪化していることに気付きました。昨年はトップコンテンダーではありませんでしたが、ウインターテストのような状態ではありませんでした」
「ですから状況は徐々に悪化していて、年明けには『あまり良いポジションではないかもしれない』と感じていました」
(折原慎太郎/RacingNews365インタビュー、F1-Gate 2026年8月5日・8月6日報道より/当事者発言・掲載は二次媒体)
そして、心情についても率直でした。
「大きな衝撃だったと言えると思います。通常であれば、私たちは競争力があることを期待しています」
「それがF1に復帰した理由でもあります。ですから、自分たちのパフォーマンスが良くないと分かった時は、本当に大きな衝撃でした」
(同上)
2-3. 制度の時間軸と重ねると何が見えるか
ここで第1章の表2を思い出してください。ADUOの第1期査定は開幕5戦(〜カナダGP)で、結果通知はカナダGPの2週間後まで。つまりホンダは、1月時点で問題を察知していても、「制度上、追加開発の枠が開くのは6月以降」という前提で動かざるを得なかったことになります。
そして枠が開いてから、ダイノでの検証を経て実戦投入できるのが8月下旬のオランダGP。1月の察知から実戦投入まで、約7か月。これはホンダの怠慢ではなく、ホモロゲーション制度そのものが持つ時定数です。2026年の新規定を語るとき、この「開発が制度に縛られている感覚」こそが、従来のF1との最大の違いだと編集部は見ています。
比較のポイントを押さえる
記事で整理したポイントを踏まえて、比べやすい候補の一つを確認できます。
3. 「解決した」の中身 — 何が直り、何が直っていないのか
3-1. 発言の正確な射程
今回のニュースの核になっている発言は、これです。
「冬季テストから現在まで、そしてファクトリーのメンバーが成し遂げたことを誇りに思っています」
「大きな振動の問題は解決しました。そして耐久性とエネルギーマネジメントの面でも大きく前進しました」
「今年ここまで達成してきたことを考えれば、今後についてもかなり自信を持っています」
(折原慎太郎/F1-Gate 2026年8月6日報道より/当事者発言・掲載は二次媒体)
読み解くうえで大事なのは、この「解決した」が、これから投入するアップグレードの話ではないという点です。文脈上、これはすでにハンガリーGPまでの現行PUで達成された改善を指しています。実際、Formula1-Data は第11戦ハンガリーGPでホンダがフリー走行1回目に現れた振動を関連パラメーターの調整で抑え込み、今季初のQ2進出を後押ししたと報じています(2026年7月/二次)。
つまり時系列はこうです。振動と信頼性は「現行PU+セッティング」で先に潰した。そのうえで、オランダGPに持ち込むADUOアップグレードは、純粋に出力を上げるための一手——という二段構えです。
3-2. アップグレードの中身
折原氏はイギリスGPのメディアデーで、変更点を具体的に語っています。
「我々の焦点はエンジン性能の改善に置かれています。燃焼効率を高めるために燃焼室の形状に取り組んでおり、プレチャンバー[副室]も変更します。さらに、潤滑システムを変更することでフリクションを低減する作業も進めています」
「信頼性の改善にも取り組んでいます。性能を上げるなら、信頼性も向上させる必要があるからです」
(折原慎太郎/The Race 2026年7月2日、Formula1-Data 2026年7月2日/当事者発言)
技術的に整理すると、狙いは大きく2つです。
- 燃焼側——燃焼室形状とプレチャンバーの変更。2026年規定のPUは持続可能燃料を使い、燃料流量がエネルギー基準で制限されます。同じ燃料からどれだけ仕事を取り出すかが勝負になるため、燃焼効率の改善は「上限を上げる」のではなく「上限に近づける」作業です。
- 機械損失側——潤滑システムの変更によるフリクション低減。エンジン内部で熱として捨てている分を減らす、地味だが確実な方向です。
そして重要な副次条件が、The Raceが伝えた次の点です。「アップグレードはアストンマーティンのシャシー側に新たな搭載作業を必要としない。変更はすべて内部だからだ」。これは、シーズン中盤に投入する改良として極めて現実的な選択です。搭載変更を伴えば、車体側の再設計・再クラッシュテスト・冷却レイアウトの見直しまで芋づる式に発生します。ホンダは「車体を巻き込まない範囲」に改良を意図的に閉じたと読めます。
3-3. ドライバビリティという伏線
もうひとつ、見落とされがちな発言があります。
「新しいPUは、純粋にパフォーマンスの向上に焦点を合わせたものですが、燃焼特性を変更したため、ドライバビリティを最適化するためにセッティングを再度、最適化する必要があります」
「ですので、現行PU上でドライバビリティを改善する作業を進めています。そしてその手法は、新しいPUにも引き継がれ、セッティングの最適化に活用されます」
(折原慎太郎/Formula1-Data 2026年7月2日/当事者発言)
ここが、オランダGPの週末の見どころに直結します。燃焼室を変えれば、アクセルに対する出方(ドライバビリティ)は必ず変わる。しかも今回のオランダGPはスプリント開催で、フリー走行が金曜の1回しかありません。新PUのセッティングを詰める時間が、通常週末より圧倒的に短いのです。ホンダが7月末にハンガロリンクで新スペックの初走行を行ったと報じられているのも、この時間不足を前倒しで埋める狙いだと考えるのが自然です。
3-4. 馬力については書きません
折原氏は出力向上幅について、明確に線を引いています。
「ダイノでの数値は把握していますが、それを明かすことはできません。ただ、小さなステップではなく、ある程度大きな前進を目指しています。とはいえ、F1に魔法は存在しません。ですので、たとえばメルセデスやRBPTに一歩で追いつくとは思っていませんが、それなりに大きな進歩をもたらすつもりです」
「パフォーマンスの改善は一歩ずつ進むものです。ですので、オランダGPはそれなりの一歩を持ち込む最初のステップであって、トップを争うライバルに追いつくためには、将来的にさらなる一歩が必要です」
(折原慎太郎/The Race 2026年7月2日、Formula1-Data 同日/当事者発言)
一部媒体には向上幅を具体的な馬力で見積もる記事も出ていますが、本記事では数値を書きません。当事者が「開示できない」と述べているものについて、一次確認の取れない推定値を数字として提示することは、SportsPulseの情報精度基準に反すると判断しました。オランダGPで実測データ(最高速、セクター別タイム、DRS/オーバーテイクモード時の伸び)が出れば、そこから語れます。
4. アストンマーティンとの巻き返し — 車体とPU、二正面の同期
4-1. 車体は先に動いていた
今回の反攻が「PU単独の話」でないことは、時系列を並べると分かります。アストンマーティンは第11戦ハンガリーGPで大規模な車体アップデートを投入しました。ニューウェイはその内容を次のように説明しています。
「主要な構造要素は同じままだ——シャシーとギヤボックスのアーキテクチャは根本的には変わらない。だが我々は両方から重量を抜いた。そのために前部シャシーの再ホモロゲーションとクラッシュテストが必要になった」
「新しいノーズを開発し、空力表面を大幅に改訂した。(中略)目標は重量規定に非常に近づけることだ」
(エイドリアン・ニューウェイ/The Race 2026年7月2日/当事者発言)
つまり「第11戦ハンガリーで車体、第12戦オランダでPU」という順番で、2つの大きな改良を2戦連続で当てにいく設計です。ハンガリーで今季初のQ2に届いたのは、車体側の効果とPU側の振動抑制が同時に効いた結果と報じられています。
4-2. なぜ2回の権利を1回しか使わないのか
ここが、この記事でいちばん考える価値のある論点です。ホンダは4%以上の遅れと判定され、今季2回のアップグレード権を得ながら、使うのは1回だけ。しかも、使わなかった1回は繰り越せず、シーズン最終戦をもって失効します。
そして興味深いことに、まったく同じ判断をアウディも下しています。アウディのレーシング・ディレクター、アラン・マクニッシュ氏の説明です。
「誰もが、シャシーとパワーユニットのアップグレードをいつ投入するのか、そして資金をどこに使うのかというトレードオフを抱えている」
「一度にすべてを使い切ってしまうと、後で戦うための手段が残らない。だから、期待値を管理する必要がある。それも1シーズンだけでなく、複数年にわたって考えなければならない」
「今季の後半も同じように改善させるつもりだが、パワーユニットについては2027年の話だ。何よりそれはハードウェアに関する変更であり、すぐに変えられるものではない」
(アラン・マクニッシュ/Autosport報道、Formula1-Data 2026年8月3日/当事者発言・掲載は二次媒体)
ADUOが「性能の付与」ではなく「コストキャップ枠の付与」である以上、権利を使うには自前の予算と人員を投じる必要があります。権利は無料でも、行使は有料。だから、遅れているメーカーほど「今季にもう1回」と「来季に大きく」を天秤にかけることになります。これは制度の設計者が意図した効果かどうか、議論の余地があるところです。
4-3. 【表3】2026年 PUメーカー別のADUO運用状況(公開情報ベース)
| PUメーカー | 供給チーム(主) | 第1期査定の位置づけ | 2026年に付与された権利 | 今季の実際の運用(公開情報) |
|---|---|---|---|---|
| レッドブル・フォード | レッドブル/レーシングブルズ | ベンチマーク(基準エンジン) | なし | ADUO対象外 |
| メルセデス | メルセデス/マクラーレン ほか | 2%超の遅れと報道 | 今季1回+翌季1回 | 公開情報では投入時期の確定発表なし |
| フェラーリ | フェラーリ ほか | 4%以上の遅れと報道 | 今季2回+翌季2回 | 公開情報では投入時期の確定発表なし |
| アウディ | アウディ | 4%以上の遅れと報道 | 今季2回+翌季2回 | 第7戦バルセロナで1回使用。2回目は見送り、2027年へ集中 |
| ホンダ(HRC) | アストンマーティン | 4%以上の遅れと報道 | 今季2回+翌季2回 | 第12戦オランダで1回使用予定。2回目は使わない方針 |
※「第1期査定の位置づけ」欄は、FIAが個社ごとの数値を公表していないため、Sky Sports・The Race・Formula1-Data 等の報道に基づく記載です(二次)。ベンチマークがレッドブル・フォードであること、およびホンダが4%以上と判定され今季2回・翌季2回の権利を得たことは、複数媒体が一致して報じています。メルセデス/フェラーリの投入計画については、本稿執筆時点で確定的な公式発表を確認できていません。
4-4. 制度への異議も出ている
ADUOは、走り出した初年度からすでに論争を呼んでいます。第1期の査定結果が公表されたのち、ベンチマークと判定されたレッドブル側が結果に疑問を呈し、FIAが所見を精査していると報じられました(Sky Sports「ADUO in F1: FIA reviewing engine findings as ‘surprised’ Red Bull question results ahead of Austrian Grand Prix」/二次)。
争点は、第1章で触れたFIAの但し書きに集約されます。ADUOはICE単体を測るが、計測は実走行の車載データから取られ、補正はかけない。とすれば、車体側の空力効率や冷却設計、レースでの使い方といった要素が、ICEの「見かけの性能」に混ざり込む余地があるのではないか——という指摘です。FIA自身が「補正方法は適用しない」ことを事前に透明に議論してきたと明記しているのは、この論点を織り込み済みだという意思表示でしょう。
編集部の見立てとしては、この論争そのものが、2026年のF1で「速さ」が制度と分かちがたく結びついたことの証拠です。かつては開発競争の結果が順位でしたが、いまは「どの査定区分に入るか」が翌年以降の開発余力を左右する。それは、極端に言えば「勝ちすぎると開発枠を失う」構造でもあります。
5. 残戦への影響 — 編集部集計で読む
ここからは、F1公式カレンダー(2026年8月11日確認)をもとにした編集部集計です。公開データからの単純な数え上げなので、どなたでも再現できます。
5-1. 【表4】オランダGP以降の残り12戦(F1公式カレンダーより/編集部集計)
| Rd | グランプリ | 開催日 | 連戦区分 | 形式 |
|---|---|---|---|---|
| 12 | オランダGP(ザントフォールト) | 8/21〜23 | 単独開催 | スプリント |
| 13 | イタリアGP(モンツァ) | 9/4〜6 | 2連戦① | 通常 |
| 14 | スペインGP(マドリード) | 9/11〜13 | 2連戦② | 通常 |
| 15 | アゼルバイジャンGP(バクー) | 9/24〜26 | 3連戦① | 通常 |
| 16 | バーレーンGP(マレーシア開催) | 10/2〜4 | 3連戦② | 通常 |
| 17 | シンガポールGP | 10/9〜11 | 3連戦③ | スプリント |
| 18 | アメリカGP(オースティン) | 10/23〜25 | 3連戦① | 通常 |
| 19 | メキシコシティGP | 10/30〜11/1 | 3連戦② | 通常 |
| 20 | サンパウロGP(ブラジル) | 11/6〜8 | 3連戦③ | 通常 |
| 21 | ラスベガスGP | 11/19〜21 | 3連戦① | 通常 |
| 22 | カタールGP(ルサイル) | 11/27〜29 | 3連戦② | 通常 |
| 23 | アブダビGP(ヤス・マリーナ) | 12/4〜6 | 3連戦③ | 通常 |
(出典: F1公式 2026年レースカレンダー/一次。確認日 2026年8月11日。スプリント開催地はF1/FIAが発表した6会場のうち、オランダGPは公式タイムテーブルでスプリント予選・スプリントの実施を確認済み)
5-2. 編集部集計①:単独開催の週末は、オランダGPだけ
表4を数えると、こうなります。
- 残り12戦(第12戦〜第23戦)
- うち3連戦が3回(計9戦)、2連戦が1回(計2戦)
- 前後の週末にレースがない「単独開催」は、オランダGPの1戦のみ
これはPU戦略にとって、かなり重い事実です。新スペックPUを投入した直後にトラブルが出た場合、対策のためにファクトリーが取れる時間は、オランダGPの後の2週間が最後のまとまった猶予になります。モンツァ以降は、3連戦が3回続く物流と作業の連続です。ホンダが「オランダGPで投入する」と早い段階から目標を切っていたことには、この日程構造の合理性があると編集部は見ています。
5-3. 編集部集計②:ADUO第3期の「終わり」が、カレンダー変更でズレている
これは執筆中に見つけた、注意して扱うべき論点です。
FIAは2026年5月13日の公式解説で、第3査定期間を「第12戦(オランダ)から第18戦(メキシコシティ)まで」と表記しました。ところが、その後2026年7月26日にFIAとFOMがマレーシアを2026年カレンダーに加える(バーレーンGPの開催地として)と発表し、ラウンド番号が繰り下がりました。
結果、F1公式の現行カレンダーでは、メキシコシティGPは第19戦です。第18戦はアメリカGP(オースティン)。つまりFIA公表文の「第12戦〜第18戦」という番号による定義と、「オランダ〜メキシコシティ」という会場による定義が、いま一致していません。
- 番号どおりに読めば、第3期は第12戦オランダ〜第18戦アメリカの7戦
- 会場どおりに読めば、第3期は第12戦オランダ〜第19戦メキシコシティの8戦
編集部はどちらが正しいかを断定しません。FIAからの更新告知を本稿執筆時点で確認できていないためです。ただし、いずれの読み方でも共通する結論があります。第20戦サンパウロ以降の4戦(ブラジル/ラスベガス/カタール/アブダビ)は、2026年のADUO査定の対象外だということ。つまり2027年の開発枠を決める「最後の実測」は、遅くともメキシコシティで終わるのです。
これは、シーズン終盤の各メーカーの振る舞いを読むうえで無視できない構造です。査定対象期間中に少しでもICE性能指数を上げれば翌年の枠が減り、逆に落ちれば枠が増える——そういう歪んだインセンティブが、制度上は理屈として存在します。あくまで制度構造の指摘であり、特定メーカーがそうした行動を取っている/取るという主張ではありません。
5-4. 編集部集計③:ホンダの「使わない1回」は、いつ失効するのか
FIAの規定に照らして整理します。ホンダに与えられた2026年分のアップグレード権は2回。オランダGPで1回使えば、残り1回。そして「シーズン最終戦までに導入されなかったアップグレードは失効する」のがルールです。2026年の最終戦は第23戦アブダビGP(12月4〜6日)。
したがって、ホンダは12月6日をもって、使わなかった1回分の権利を自動的に失うことになります。一方、2027年分として与えられた2回は、2027年シーズンで有効です。「1回に絞る」という判断は、今季の1枠を捨てて2027年に賭ける決断だと読み替えられます。
5-5. 編集部集計④:残るスプリントは2戦
2026年のスプリント開催は6会場(上海/マイアミ/モントリオール/シルバーストン/ザントフォールト/シンガポール)と発表されています。オランダGP以降で残るスプリント週末はザントフォールト(第12戦)とシンガポール(第17戦)の2戦。新PUのデビュー戦がフリー走行1回しかないスプリント週末であるという巡り合わせは、ホンダにとって決して有利ではありません。
6. オランダGPで「効いた/効かなかった」を、何で判定するか
週末を見るときのチェックポイントを、編集部の見立てとして5つ挙げます。いずれも公開されるタイミングモニターとテレビ中継で確認できます。
- 金曜FP1の走行本数——新スペックPUの信頼性に不安があれば、周回を抑えます。逆に淡々と周回を重ねられれば、耐久側の確認は済んでいると読めます。
- ストレートエンドの最高速——ザントフォールトは低速コーナーとバンクが特徴で純粋なパワーサーキットではありませんが、それでも同一週末内のチーム間比較は成立します。前戦ハンガリーとの相対順位の変化に注目です。
- セクター別の内訳——ラップタイム全体ではなく、直線区間を含むセクターだけが改善しているかどうか。ここが分離できれば、車体ではなくPUの寄与だと切り分けられます。
- 予選でのギャップ——「トップから2秒以上」と報じられていた予選差が、ハンガリーの車体アップデート+オランダのPUアップグレードでどこまで縮むか。これが最も分かりやすい指標です。
- ドライバビリティに関するコメント——折原氏が「燃焼特性を変えたので再最適化が必要」と述べていた部分です。アロンソ/ストロールの週末を通じたコメントの変化が、そのまま答えになります。
そして、順位の予測はしません。ICE性能はラップタイムを構成する多数の要素のひとつにすぎず、当事者自身が「一歩でトップに追いつくとは思っていない」と言っている以上、編集部が結果を先取りして書くべきではないと考えます。
FAQ
Q1. ADUOは「遅いメーカーを速くしてあげる制度」ですか?
いいえ。FIAのトンバジ氏は「バランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)の仕組みではない」と明言しています。燃料流量が増えたり、バラストが軽くなったりすることはありません。実体はコストキャップの緩和で、遅れの度合いに応じて年間300万〜1,100万ドルの開発費がコストキャップ計算の外に置かれ、加えて凍結中のホモロゲーション仕様を変更する回数が与えられます。速くなるかどうかは、そのメーカーの開発力次第です。
Q2. なぜホンダは2回使える権利を1回しか使わないのですか?
公開情報から読み取れる理由は、予算と技術リソースの配分です。ADUOは「開発してよい枠」を渡すだけで、実際に開発するコストは各社が負担します。同じ判断をしたアウディのアラン・マクニッシュ氏は「一度にすべてを使い切ってしまうと、後で戦うための手段が残らない」と説明しています。2026年の1回分を捨ててでも、規則の枠がより大きく開く2027年に集中する——という中期的な判断だと理解できます。なお、使わなかった枠は2026年最終戦(12月6日アブダビGP)をもって失効し、翌年に繰り越すことはできません。
Q3. 「振動問題は解決した」というのは、新しいエンジンで直ったという意味ですか?
いいえ、そこは分けて読む必要があります。折原氏の「大きな振動の問題は解決しました」という発言は、ハンガリーGPまでの現行PUと、そのセッティングで達成された改善を指しています。オランダGPに投入するADUOアップグレードは、折原氏の説明では「純粋にパフォーマンスの向上に焦点を合わせたもの」。つまり「振動と信頼性は先に潰した。次は出力を上げる」という二段構えです。
Q4. どれくらい馬力が上がるのですか?
公表されていません。折原氏は「ダイノでの数値は把握していますが、それを明かすことはできません」と述べています。一部媒体には具体的な向上幅を推定する記事もありますが、本記事では一次確認が取れないため数値を掲載しません。判断材料としては、折原氏の「小さなステップではなく、ある程度大きな前進」「ただしメルセデスやRBPTに一歩で追いつくとは思っていない」という言葉の範囲にとどめるのが妥当です。
Q5. オランダGPはいつ、どんな形式で行われますか?
2026年8月21日(金)〜23日(日)、ザントフォールト・サーキット(1周4.259km)で行われる第12戦です。スプリント開催で、金曜にフリー走行1回とスプリント予選、土曜にスプリント(24周または60分)と予選、日曜15:00現地時間(日本時間22:00)から決勝72周。フリー走行が1回しかないのが最大の特徴で、新スペックPUのセッティングを詰めるには厳しい週末構成です。
Q6. 2026年のPUメーカーは何社ありますか?
グリッドに供給しているのはレッドブル・フォード、メルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダ(HRC)で、ホンダはアストンマーティンのワークス供給という体制です。第1期のADUO査定ではレッドブル・フォードがベンチマーク(基準)と判定され、他の4メーカーがADUO対象になったと複数媒体が報じています。
Q7. ADUOで得た開発枠は、ERSやMGU-Kにも使えますか?
はい。査定の物差しはICEですが、改良できる範囲はより広いとFIAが明示しています。技術規則 付則C4 表1に列挙されているのは、ICEの一部要素、排気系、ターボチャージャーとウェイストゲート/ポップオフ、ICE・排気マウントの電装部品とセンサー、ERS(および付随冷却系)、MGU-K、コントロール・エレクトロニクス、一部の油圧機能・流体・バラストです。今回のホンダは、このうちICE内部に絞って改良しています。
あわせて読みたい(SportsPulse内)
- 「F1 2026 後半戦ガイド ―サマーブレイク明けの選手権順位・残り全戦・見どころDB」(2026年8月8日)— 本記事の表4をさらに詳しく。選手権順位とあわせて後半戦の全体像を確認したい方はこちら。
- 「すぽぱる入門『F1サマーブレイクってなに?』―4週間の中断のしくみと後半戦の見どころ」(2026年8月6日)— なぜ8月にレースが止まるのか、シャットダウン規則の中身から。ADUOの開発が「いつ止まっていたか」を理解する補助線になります。
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- モータースポーツHUB: https://www.sportspulse.site/fan-f1/ — F1関連記事の入口です。
出典
- FIA公式「Power Ups: How F1’s Additional Development Upgrade Opportunities will be applied and what’s changing」(2026年5月13日) https://www.fia.com/news/power-ups-how-f1s-additional-development-upgrade-opportunities-will-be-applied-and-whats (確認日: 2026年8月11日)
- F1公式「EXPLAINED: What is F1’s ‘ADUO’ engine upgrade system – and how will it work?」(2026年5月18日) https://www.formula1.com/en/latest/article/explained-what-is-f1s-aduo-engine-upgrade-system-and-how-will-it-work.2A67N47ntcdQbKhHOd7GdD (確認日: 2026年8月11日)
- F1公式「F1 Schedule 2026 – Official Calendar of Grand Prix Races」 https://www.formula1.com/en/racing/2026 (確認日: 2026年8月11日)
- F1公式「FORMULA 1 HEINEKEN DUTCH GRAND PRIX 2026 – full timetable」 https://www.formula1.com/en/latest/article/formula-1-heineken-dutch-grand-prix-2026.VYghWPhEDqYBlWbd1iKe6 (確認日: 2026年8月11日)
- The Race「What Honda’s revealed about its 2026 F1 engine upgrade as date is set」(Jon Noble、2026年7月2日) https://www.the-race.com/formula-1/what-honda-revealed-about-its-2026-f1-engine-upgrade-as-date-is-set/ (確認日: 2026年8月11日)
- F1-Gate「ホンダF1 F1プロジェクト経験者を呼び戻し反撃へ『体制は回復できる状態』」(2026年8月6日) https://f1-gate.com/honda/f1_96279.html (確認日: 2026年8月11日)
- F1-Gate「ホンダF1 折原慎太郎が明かす苦戦の真相『問題の深刻さは1月に判明』」(2026年8月5日) https://f1-gate.com/honda/f1_96267.html (確認日: 2026年8月11日)
- Formula1-Data「ホンダF1、反撃の第一歩はオランダGP。アップグレード版RA626H投入計画を説明」(2026年7月2日) https://formula1-data.com/article/honda-ra626h-pu-upgrade-dutch-gp-2026 (確認日: 2026年8月11日)
- Formula1-Data「使えるのに、使わない――ホンダ同様1回に絞るアウディ、PUアップグレードを見送る理由」(2026年8月3日) https://formula1-data.com/article/audi-skips-second-pu-upgrade-for-2027 (確認日: 2026年8月11日)
- Formula1-Data「ホンダ、振動問題を抑え込み今季初Q2を後押し。ニューウェイ『励みになる一歩』/F1ハンガリーGP」 https://formula1-data.com/article/honda-solves-pu-vibration-q2-hungary-2026 (確認日: 2026年8月11日)
- Sky Sports「ADUO in F1: Red Bull engine top rated by FIA as Mercedes, Ferrari granted upgrades for 2026 Formula 1 season」 https://www.skysports.com/f1/news/12433/13551591/aduo-in-f1-red-bull-engine-top-rated-by-fia-as-mercedes-ferrari-granted-upgrades-for-2026-formula-1-season (確認日: 2026年8月11日)
- Sky Sports「ADUO in F1: FIA reviewing engine findings as ‘surprised’ Red Bull question results ahead of Austrian Grand Prix」 https://www.skysports.com/f1/news/12433/13554556/aduo-in-f1-fia-reviewing-engine-findings-as-surprised-red-bull-question-results-ahead-of-austrian-grand-prix (確認日: 2026年8月11日)
- Motorsport.com「Why Honda will just use one of its two upgrade opportunities in F1 2026」 https://www.motorsport.com/f1/news/why-honda-will-just-use-one-of-its-two-upgrade-opportunities-in-f1-2026/10833092/ (確認日: 2026年8月11日)
- FIA公式「FIA and FOM confirm that Malaysia will join the 2026 calendar, as host venue for the Bahrain Grand Prix」(2026年7月26日) https://www.fia.com/news/fia-and-fom-confirm-malaysia-will-join-2026-calendar-host-venue-bahrain-grand-prix (確認日: 2026年8月11日)
- Motorsport.com「F1 reveals six sprint race venues for 2026 season」 https://www.motorsport.com/f1/news/f1-reveals-six-sprints-race-venues-for-2026-season/10759847/ (確認日: 2026年8月11日)
※本記事は公開情報と編集部レビューをもとに構成しています。独自取材・アンケート・FIA/チーム/メーカーへの個別取材は一切行っていません。「編集部集計」と明記した数値(残り12戦の内訳、3連戦・2連戦・単独開催の回数、残るスプリント数、ADUO第3査定期間の対象戦数、未使用アップグレード権の失効期日)は、いずれもF1公式カレンダーとFIA公表のADUO規定条文から編集部が単純に数え上げ・突き合わせたもので、第三者が同じ手順で再現できます。「編集部の見立て」と記した箇所——①1月の察知から実戦投入まで約7か月かかった要因をホモロゲーション制度の時定数と解釈した点、②ホンダが改良を「車体を巻き込まない範囲」に意図的に閉じたと読んだ点、③オランダGPが単独開催であることが投入時期の合理性につながるとした点、④ADUO論争が「速さと制度の結合」を示すとした点、⑤第6章のチェックポイント5項目——は、いずれも編集部の解釈であり、関係者の見解ではありません。出力向上幅(馬力)については、当事者が非開示としており一次確認が取れないため、推定値を含め一切記載していません。ADUO第3査定期間の対象ラウンドについては、FIA公表文の番号表記(第12〜18戦)とカレンダー更新後の実ラウンド番号(メキシコシティ=第19戦)が一致しておらず、いずれが有効かをFIAの更新告知で確認できていないため、両論を併記し断定を避けています。表3の各メーカーの査定区分は、FIAが個社の数値を公表していないため報道ベースの記載です。日程・タイムテーブルは主催者の告知により変更される可能性があります。
執筆: SportsPulse 編集部 / 公開: 2026-08-11
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📅 更新履歴
| 日付 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年8月12日 | 初回公開 |
✅ ファクト再検証
最終検証日:2026年8月12日
SportsPulse 編集部が公開情報をもとに内容を確認しています。情報は確認時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
