著者: SportsPulse 編集部 / 更新日: 2026年8月12日 / 編集部レビュー済み
2026年8月19日(水)、天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会が開幕します。Jリーグが2026-27シーズンから秋春制に移行したのに伴い、天皇杯もこの時期のスタートとなりました。JFA公式は今大会について「Jリーグの開催時期が移行となったのに伴い、天皇杯もこの時期のスタートとなります」と説明しています。
この大会を、リーグ戦の「おまけ」だと思っている方は少なくないと思います。ですが、天皇杯には天皇杯にしかない見どころがあります。それがジャイアントキリング(格上撃破)です。
本記事は、その「名場面」を思い出話としてではなく、年・ラウンド・対戦カード・スコアを1件ずつ確認したうえで並べ直したものです。そのうえで、なぜそれが毎年のように起きるのかを、精神論ではなく大会の構造から説明します。最後に、8月19日から始まる第106回をどう見ればいいかを整理します。
結論:天皇杯のジャイキリは「番狂わせ」ではなく、大会設計が毎年ほぼ確実に生む現象
急いでいる方のために、先に結論を6つ置きます。
①天皇杯は、参加チームの半分以上がJリーグ勢ではありません。JFA公式によれば第106回は「J1、J2に所属する各20チーム、アマチュアシード枠で全日本大学サッカー連盟選出の筑波大学、そして都道府県大会を勝ち抜いて出場権を獲得した47チームの計88チームによるノックアウト方式」で争われます。88チーム中、J1所属はわずか20チーム。全体の22.7%(編集部集計)です。
②J1勢の「初戦全員突破」は、極めて珍しい出来事です。サッカーキングは2022年の記事で、Jリーグが2部制となった1999年以降「当該シーズンにJ1に在籍している全クラブが初戦を突破したことは(第102回まで)1度もなかった」と報じています。つまり、ジャイキリは例外ではなく通常運転でした。
③直近の第105回大会でも、はっきり起きました。JFA公式は、アマチュアシードの東洋大学が「2回戦で柏レイソル、3回戦でアルビレックス新潟というJ1勢を連破するジャイアントキリングを演じた」と記録しています。さらに神奈川県代表のSC相模原が川崎フロンターレをPK戦で下し、準々決勝へ進みました。
④原因は「気持ち」ではなく、一発勝負・日程・編成・会場という構造要因です。後半で5つに分解します。
⑤第106回の1回戦(8月19日)には、J1・J2は1チームも出てきません。Jリーグ公式の日程発表によれば、1回戦はアマチュアシードチーム(筑波大学)と都道府県代表チームのみ。J1・J2は2回戦(8月26日)からの登場です。つまりジャイキリが起きる日は8月26日です。
⑥決勝は6年ぶりに元日開催が復活します。JFA公式は「決勝の舞台はMUFGスタジアム(国立競技場)。そして元日開催が第100回大会以来、6年ぶりに復活します」と告知しています。Jリーグ公式の日程では決勝は2027年1月1日(金・祝)です。
まず定義:この記事で「ジャイアントキリング」と呼ぶもの
言葉の意味を先にそろえます。この記事では、以下の条件を満たした試合をジャイアントキリングと呼びます。
- 天皇杯の本大会(1回戦以降)で行われた試合であること
- 所属カテゴリーが下位のチームが、上位カテゴリーのチームに勝ったこと
- PK戦での勝利を含むこと(トーナメントでは勝ち上がりが確定するため)
逆に、この記事では次のものは扱いません。J1同士・J2同士など同カテゴリー同士の「番狂わせ」、および都道府県予選(代表決定戦)での格上撃破です。後者は本大会の記録には残らないためです。ただし第106回については予選段階で注目の結果があったので、後段で別枠として触れます。
もうひとつ、この記事の姿勢をはっきりさせておきます。大学チームが絡む事例は、チーム単位の記録としてのみ扱います。学生個人のプレー評価や将来予測は行いません。
裏取り済み ジャイアントキリング年表(編集部作成)
ここが本記事の中心です。「Honda FCが何度もJ1を倒している」といった記憶ベースの記述は使わず、大会回次・ラウンド・対戦カード・スコアが特定できたものだけを並べました。確認できなかった事例は、意図的に落としてあります(末尾の注記に理由を開示しています)。
出典区分の「一次」はJFA公式サイト(jfa.jp)で直接確認できたもの、「報道」はサッカーキングの記事で確認したものです。
| No. | 大会(開催年) | ラウンド | 敗れた側(当時J1) | 勝った側 | スコア | 出典区分 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 第87回(2007年) | 4回戦 | 柏レイソル | Honda FC | 2-3 | 報道 |
| 2 | 第89回(2009年) | 2回戦 | 浦和レッズ | 松本山雅FC | 0-2 | 報道 |
| 3 | 第92回(2012年) | 2回戦 | FC東京 | 横河武蔵野FC | 0-1 | 報道 |
| 4 | 第94回(2014年) | 2回戦 | 鹿島アントラーズ | ソニー仙台FC | 2-2(PK1-2) | 報道 |
| 5 | 第97回(2017年) | 2回戦 | 北海道コンサドーレ札幌 | いわきFC | 2-5 | 報道 |
| 6 | 第98回(2018年) | 2回戦 | ガンバ大阪 | 関西学院大学 | 1-2 | 報道 |
| 7 | 第99回(2019年) | 2回戦 | 北海道コンサドーレ札幌 | Honda FC | 2-4 | 報道 |
| 8 | 第99回(2019年) | ラウンド16 | 浦和レッズ | Honda FC(静岡県) | 0-2 | 一次(JFA) |
| 9 | 第101回(2021年) | 2回戦 | 横浜F・マリノス | Honda FC(静岡県) | 2-2(PK3-5) | 一次(JFA) |
| 10 | 第101回(2021年) | 2回戦 | FC東京 | 順天堂大学 | 1-2 | 報道 |
| 11 | 第105回(2025年) | 2回戦 | 柏レイソル | 東洋大学(アマチュアシード) | 0-2 | 一次(JFA) |
| 12 | 第105回(2025年) | 3回戦 | アルビレックス新潟 | 東洋大学(アマチュアシード) | 1-2 | 一次(JFA) |
| 13 | 第105回(2025年) | 3回戦 | 川崎フロンターレ | SC相模原(神奈川県) | 0-0(PK1-3) | 一次(JFA) |
この13件のうち、5件はJFA公式サイトで試合内容まで確認できました。以下、その5件を掘り下げます。
① 第99回・ラウンド16/浦和レッズ 0-2 Honda FC(2019年9月25日・埼玉スタジアム2002)
おそらく、平成以降でもっとも有名な天皇杯のジャイキリです。JFA公式の試合レポートは「連覇を狙う前回大会王者を前にしても、Honda FCは自陣に引き込もるような戦い方はしませんでした。ボールをつなぎ、時折鋭く縦パスを打ち込みます」と伝えています。
つまり「引いて守ってカウンター」ではなかったという点が、この試合の本質です。0-0で推移した試合は残り10分を切ってから動き、Honda FCが2点を奪取。終了間際に与えたPKもGKが止め、完封で勝ち切りました。JFA公式は「Honda FCがまたもジャイアントキリングを成し遂げ、2007年の第87回大会以来となる準々決勝進出を決めました」と記録しています。
Honda FCの監督は試合後、JFA公式に対して「ブロックを敷いてのカウンターでJクラブに勝って称賛されても面白くないので、日ごろやっていることがどれほど通用するか、選手とのコミュニケーションを高めて、またチャレンジしたい」とコメントしています。ジャイキリを「奇跡」ではなく「日常の検証」と捉える言葉です。
② 第101回・2回戦/横浜F・マリノス 2-2(PK3-5)Honda FC(2021年6月9日・ニッパツ三ツ沢球技場)
JFA公式の試合記録によれば、90分は1-1、延長で2-2、PK戦3-5でHonda FC(静岡県代表)が勝ち上がりました。得点経過は前半28分にHonda FC、後半67分に横浜F・マリノス、延長前半102分に横浜F・マリノス、延長後半106分にHonda FCという、最後の最後まで動いた展開です。
特筆すべきは、Honda FCの先制点を記録したのがキャプテンを務めるGKだったことです(JFA公式の得点者記録に明記)。GKが得点し、そのまま延長・PK戦を戦い抜いて勝つ——脚本にすると嘘くさいレベルの試合が、実際に公式記録として残っています。
③④ 第105回・東洋大学がJ1を連破(2025年)
直近大会です。JFA公式は「今大会は初出場が前回の1チームから6チームに増えました。その中で唯一、1回戦を突破し、2回戦で柏レイソル、3回戦でアルビレックス新潟というJ1勢を連破するジャイアントキリングを演じたのが東洋大学(アマチュアシード)です」と記しています。スコアはJFA公式の表記で柏に2-0、新潟に2-1。いずれも複数得点での勝利でした。
ここで重要なのは「1試合の事故」ではなく2試合連続だったという点です。偶然が2回続く確率は低く、チームとして機能していたと考えるほうが自然です。
⑤ 第105回・3回戦/川崎フロンターレ 0-0(PK1-3)SC相模原(2025年7月16日・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)
神奈川ダービーです。JFA公式レポートは「川崎フロンターレ 0-0(前半0-0、後半0-0、延長前半0-0、延長後半0-0、PK1-3) SC相模原」と記録し、「最後まで真正面から戦い続けた相模原が運も味方につけ、『ジャイアントキリング』を達成しました」と締めています。
興味深いのは、勝った側の当事者コメントです。JFA公式によれば、SC相模原の監督は「PK戦は半分以上が運」、殊勲のGKも「PKは運の要素が強い」と語っています。勝った側が「運」と言い、それでも120分間ゴールを割らせなかったという組み合わせが、天皇杯というトーナメントの本質を言い当てています。
なおJFA公式は第105回について、SC相模原が「J1以外のチームで唯一、準々決勝に進出した」と記録しています。
比較のポイントを押さえる
記事で整理したポイントを踏まえて、比べやすい候補の一つを確認できます。
編集部集計:数字で見ると「毎年起きている」ことがわかる
ここからは編集部集計です。算出方法は末尾の注記に開示しています。
集計A:第106回の出場88チームの内訳
JFA公式が発表した出場枠から、構成比を計算しました。
| 枠 | チーム数 | 構成比 | 初戦のラウンド |
|---|---|---|---|
| J1所属 | 20 | 22.7% | 2回戦(8/26) |
| J2所属 | 20 | 22.7% | 2回戦(8/26) |
| アマチュアシード(筑波大学) | 1 | 1.1% | 1回戦(8/19) |
| 都道府県代表 | 47 | 53.4% | 1回戦(8/19) |
| 合計 | 88 | 100% | — |
ここから読み取れることは2つあります。第一に、参加チームの過半数(54.5%)は1回戦から戦う非Jリーグ枠だということ。第二に、J1所属は5チームに1チーム強しかいないということです。「J1が勝つのが当然」という前提そのものが、大会の構成比から見ると少数派の論理なのです。
集計B:J1クラブの初戦敗退は、12大会で32件
サッカーキングが2022年に公開した一覧(第79回〜第101回のJ1クラブ初戦敗退記録)をもとに、J1クラブが2回戦から登場していた第89回〜第101回に絞って集計しました。大会形式が大きく変わった第100回は除外しています(同記事も「大会形式変更によりJ1からは2クラブのみ参加」と記載)。
| 指標 | 値 | 補足 |
|---|---|---|
| 対象大会数 | 12大会 | 第89〜101回から第100回を除外 |
| J1クラブの初戦敗退 | 32件 | 1大会あたり平均2.7件 |
| 最多だった大会 | 5件 | 第92回・第101回 |
| 最少だった大会 | 1件 | 第89・90・91・93・98回の5大会 |
| 初戦敗退ゼロの大会 | 0大会 | 12大会すべてで最低1件発生 |
| 相手が大学チームだった件数 | 6件(18.8%) | 第91・94・97・98・99・101回 |
12大会すべてで、必ず1件以上のジャイキリが起きている。これが数字で見た天皇杯です。平均2.7件ということは、今年もおそらく2〜3件は起きる、と考えて観るのが妥当だということになります。
集計C:年表13件のラウンド分布と決着のつき方
本記事の年表(裏取り済み13件)を分解しました。
| 切り口 | 内訳 | 比率 |
|---|---|---|
| 2回戦で発生 | 9件 | 69.2% |
| 3回戦で発生 | 2件 | 15.4% |
| ラウンド16以降で発生 | 1件 | 7.7% |
| 4回戦(当時の初戦)で発生 | 1件 | 7.7% |
| PK戦で決着 | 3件 | 23.1% |
| 敗れたJ1クラブが無得点 | 5件 | 38.5% |
約7割がJ1クラブの初戦で起きています。そしてPK決着は4件に1件弱——つまり大半は、PKの「運」ではなく90分(または120分)の中で決着しています。ジャイキリを「PKの偶然」で片づけるのは、事実に合いません。
なぜ起きるのか:5つの構造要因
ここは推測を避け、大会の仕組みから説明できる範囲に限定します。選手の心理を勝手に描写することはしません。
要因1:一発勝負のノックアウト方式
JFA公式が明記しているとおり、天皇杯は「ノックアウト方式」です。リーグ戦は年間34試合前後を戦うため、戦力差は積み上げで表れます。しかしトーナメントは1試合で終わります。1試合だけを切り取れば、シュート1本、セットプレー1本、GKのセーブ1本が結果を決めます。戦力差を「時間をかけて表現する」機会が与えられないのが、まず最大の要因です。
※この先のリンクには広告(PR)・アフィリエイトを含みます。購入・お申込によりSportsPulseが収益を得る場合があります(掲載順・評価は編集部の判断です)。
要因2:日程の密度とコンディション
天皇杯はリーグ戦の合間に、多くが水曜開催で組み込まれます。第106回も1回戦8月19日(水)、2回戦8月26日(水)といずれも水曜です。J1・J2クラブにとっては週末のリーグ戦とリーグ戦の間に挟まる公式戦であり、連戦の一部になります。一方で、下位カテゴリーや大学チームにとっては、日程上の位置づけが異なります。この非対称は、精神論ではなくカレンダーの問題です。
要因3:メンバー編成の考え方が変わる
連戦の中では、リーグ戦との兼ね合いでメンバーを入れ替える判断が生じます。第99回の浦和戦について、JFA公式のレポートは「アカデミーからの昇格1年目や大卒ルーキーなど、トップチームの一員となって日が浅い選手も先発した浦和は、なかなか相手ゴールに迫れません」と記述しています。また第105回では、AFCチャンピオンズリーグやFIFAクラブワールドカップといった国際大会の日程との調整で、ラウンド16から登場するクラブも生じました(JFA公式は浦和レッズについて「FIFAクラブワールドカップ2025参加のため、ラウンド16からの登場となります」と記載)。
つまり、上位クラブほど並行して抱えている大会が多い。これは強さの証明であると同時に、天皇杯における脆さの原因でもあります。
要因4:会場とピッチの条件
天皇杯の序盤ラウンドは全国各地で開催されます。J1クラブが普段使わないスタジアムで戦うことも珍しくありません。ピッチのサイズ、芝の状態、ロッカーの環境、移動距離——これらは技術で埋められる差ではありますが、1試合しかない大会では埋め切る時間がありません。
要因5:カテゴリー差は「実力差」とイコールではない
ここが最も見落とされる点です。カテゴリーの違いは、年間を通じた安定性・選手層・資金力の差であって、1試合における能力差そのものではありません。JFLの社会人クラブも大学チームも、日常的に高いレベルで練習し、公式戦を戦っています。第105回で東洋大学がJ1相手に2試合連続で複数得点を挙げたことは、その傍証です。
逆に言えば、ジャイキリは「弱者が奇跡を起こした」話ではなく、「差が思ったより小さかったことが1試合で露見した」話です。だからこそ、勝った側は次の年もまた勝ちます。年表でHonda FCの名前が3回出てくるのは、偶然ではありません。
第106回(2026年)をどう見るか
日程:8月19日開幕、決勝は元日
Jリーグ公式が発表した第106回の日程は以下のとおりです。
| ラウンド | 日程 | 出場 |
|---|---|---|
| 1回戦 | 2026年8月19日(水) | アマチュアシード(筑波大学)+都道府県代表47 |
| 2回戦 | 2026年8月26日(水) | J1・J2が登場 |
| 3回戦 | 2026年9月23日(水・祝)、10月7日(水) | ACL出場クラブとその対戦クラブのみ9月23日開催 |
| ラウンド16(4回戦) | 2026年12月9日(水) | — |
| 準々決勝 | 2026年12月23日(水) | — |
| 準決勝 | 2026年12月27日(日) | — |
| 決勝 | 2027年1月1日(金・祝) | MUFGスタジアム(国立競技場) |
ジャイキリを見たいなら、まず8月26日を空けてください。集計Cのとおり、約7割は「J1の初戦」で起きています。
タイトル保持者と優勝候補を、正確に押さえる
ここは間違えやすいところなので、丁寧に書きます。
- 天皇杯の現タイトル保持者はFC町田ゼルビアです。JFA公式は「第105回でクラブ史上初のビッグタイトルを獲得した」「前回大会、町田は決勝で連覇を目指す神戸を下して初優勝を果たした」と記録しています。
- 2026年のJリーグ百年構想リーグ(移行期の特別大会)を制したのはヴィッセル神戸です。JFA公式は「その鹿島を下して今年のJリーグ百年構想リーグに優勝したヴィッセル神戸」と記しています。
- 鹿島アントラーズは「昨年のJ1王者」です。JFA公式は「昨年のJ1を制した鹿島アントラーズ」「鹿島はJリーグ開始以降に限れば、最多5度の天皇杯優勝」と記載しています。
つまり「王者・鹿島」という書き方は、どのタイトルを指すかで意味が変わります。天皇杯なら町田、2026年のリーグなら神戸、2025年のJ1なら鹿島です。
優勝回数についてもJFA公式が整理しています。浦和レッズは「慶應BRBと並ぶ最多8度タイ」で単独首位を狙う立場、横浜F・マリノスが優勝すればその2チームに並びます。またJ2勢の優勝は「Jリーグ発足以来、FC東京(第91回)、ヴァンフォーレ甲府(第102回)という2度しか」ありません。J2クラブの優勝は35年近い歴史で2度だけ——これがカテゴリー差の重さを示す数字です。
第106回で注目したい「ジャイキリ候補」
JFA公式が挙げている今大会のトピックを、事実として並べます。
- 予選段階ですでにジャイキリが起きています。JFA公式は「県代表決定戦で早くもジャイアントキリングを起こして出場権をつかんだのが、専修大学(神奈川県)と金沢星稜大学(石川県)です。それぞれ相模原、ツエーゲン金沢というJ3のチームを破りました」と記しています。専修大学は1回戦で筑波大学と対戦します。
- 天皇杯初出場は3チーム。秋田大学(秋田県)、山梨学院大学(山梨県)、長崎国際大学(長崎県)です。前回大会で初出場の東洋大学がラウンド16まで進んだ前例があります。
- 熊本県代表は変則的な形で決まりました。JFA公式は「今大会に先立ち、7月28日に『令和8年熊本地震』が発生しました。その影響で同県の代表決定戦は実施できず、大会要項に基づきJ3のロアッソ熊本が出場することになりました」と説明しています。
- 福島ユナイテッドFCには59歳の三浦知良選手が在籍しています。JFA公式によれば、本大会に出場すれば横浜FC所属時の第99回大会以来7年ぶりの天皇杯出場となり、チームは1回戦で大山サッカークラブ(山形)と対戦、勝者は2回戦で横浜F・マリノスと当たります。
- アマチュアシードは筑波大学で、Jリーグ公式によれば「5年連続36回目の出場」です。
観るときのチェックポイント3つ
- 先制点の時間帯——年表13件のうち5件でJ1側が無得点でした。下位カテゴリー側が先に1点を取ると、上位側は「攻めなければならない」状態に押し込まれ、カウンターのリスクが跳ね上がります。
- 60分以降のスコア——第99回の浦和戦は残り10分を切ってから2点が入りました。序盤の劣勢は、必ずしも結果を意味しません。
- GKのセーブ数——第101回はHonda FCのGKが得点まで記録し、第105回はSC相模原のGKがPK戦で止めました。ジャイキリの多くはGK起点です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 天皇杯って、Jリーグとは別の大会なんですか?
はい、別の大会です。JFA公式によれば「日本サッカー協会(JFA)の全ての第1種登録チームに参加資格があり、プロフェッショナルとアマチュアが同じ舞台でしのぎを削り、サッカー日本一を決める大会」です。Jリーグ所属クラブだけでなく、社会人クラブ・大学チームなども出場します。第106回は88チームによるノックアウト方式です。
Q2. なぜ今年は8月開幕なんですか? 去年は5月開幕でしたよね。
Jリーグが2026-27シーズンから秋春制に移行したためです。JFA公式は「Jリーグの開催時期が移行となったのに伴い、天皇杯もこの時期のスタートとなります」と説明しています。ちなみに第105回は2025年5月24日・25日の1回戦で開幕し、決勝は同年11月22日でした(JFA公式の日程表記)。第106回は決勝が2027年1月1日となり、元日開催が第100回大会以来6年ぶりに復活します。
Q3. ジャイアントキリングって、実際どのくらいの頻度で起きるんですか?
編集部集計では、J1クラブが2回戦から登場していた第89回〜第101回のうち第100回を除く12大会で、J1クラブの初戦敗退は合計32件、1大会あたり平均2.7件でした。しかも12大会すべてで最低1件起きています。またサッカーキングは、1999年のJ2発足以降「当該シーズンにJ1に在籍している全クラブが初戦を突破したことは(第102回まで)1度もなかった」と報じています。
Q4. アマチュアのチームが優勝することはあり得ますか?
近年の実績で言えば、極めて難しいと考えるのが妥当です。JFA公式によれば、Jリーグ発足以降でJ2所属クラブの優勝は「FC東京(第91回)、ヴァンフォーレ甲府(第102回)」の2度のみ。J2クラブですらこの頻度ですから、それより下のカテゴリーが7試合前後を勝ち抜くハードルは相当に高いと言えます。ただし直近の第105回では、J3のSC相模原がJ1以外で唯一の準々決勝進出を果たしています(JFA公式)。「優勝は難しいが、ベスト8は現実的な射程に入る」——これが現在地です。
Q5. 初心者はどの試合から見るのがおすすめですか?
2026年8月26日(水)の2回戦です。この日にJ1・J2が初登場し、集計Cのとおりジャイキリの約7割はこのラウンドで起きています。なお、天皇杯はNHK、スカパー!のほかJFATVでも視聴できるとJFA公式が案内しており、1回戦(8月19日)ではアトレチコ鈴鹿(三重県)対FC BASARA HYOGO(兵庫県)が配信予定とされています。
Q6. 大学チームが強いのはなぜですか?
本記事では、大学チームの「強さの理由」を断定しません。確認できる事実は、年表13件のうち6件(編集部集計では第89〜101回の32件中6件=18.8%)で相手が大学チームだったこと、そして第105回で東洋大学がJ1勢を2試合連続で複数得点差・僅差で破ったことです。学生個人の評価や進路に関する記述は、本記事の方針として行いません。
まとめ:8月26日、テレビの前に座る理由
天皇杯のジャイアントキリングは、感動的な偶然ではありません。88チーム中J1が20チームしかいない構成比、一発勝負のノックアウト方式、水曜開催の連戦、並行する国際大会——これらが毎年、平均2.7件の「格上撃破」を生み出しています。
そして直近の第105回では、初出場の大学チームがJ1を連破し、J3のクラブがJ1をPK戦で沈めて準々決勝まで進みました。JFA公式が「普通では予想しにくい結果がスリリングな“非日常”の体験となり、見る人の心を揺さぶるのでしょう」と書くとおりです。
第106回は2026年8月19日開幕、J1・J2の初戦は8月26日、決勝は2027年元日。今年もおそらく、誰かが誰かを倒します。それが誰なのかは、まだ誰も知りません。
あわせて読む
- サッカー観戦入門HUB——J1・欧州・日本代表の記事はここから探せます
- 移籍トラッカー 2026——今夏の補強がそのまま天皇杯のメンバー編成に効いてきます
- 日本代表への道——天皇杯からA代表につながった選手の系譜をたどれます
- 「天皇杯 本戦ガイドDB」——第106回の全出場88チームと1回戦の組み合わせを一覧できます(公開後にリンク差し替え)
- 「すぽぱる入門『天皇杯ってなに?』」——大会の仕組みを、はじめての方向けにやさしく解説しています(公開後にリンク差し替え)
出典
- JFA公式「天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会 TOP」 https://www.jfa.jp/match/emperorscup_2026/ (確認日: 2026年8月12日/2026年8月19日(水)開幕)
- JFA公式「【ホットピ!~HotTopic~】「日本一」を目指して88チームが競う~天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会」(2026年8月10日) https://www.jfa.jp/news/00036611/ (確認日: 2026年8月12日)
- JFA公式「【SPECIAL】初出場チームがラウンド16に進出。さらなる波乱は起こるか~天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会」(2025年7月31日) https://www.jfa.jp/news/00035334/ (確認日: 2026年8月12日)
- JFA公式「相模原がPK戦の末、川崎Fを下す 天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会3回戦」(2025年7月17日) https://www.jfa.jp/match/emperorscup_2025/news/00035300/ (確認日: 2026年8月12日)
- JFA公式「Honda FCがジャイアントキリング!前回王者の浦和を破り、12大会ぶりの準々決勝へ 第99回天皇杯」(2019年9月25日) https://www.jfa.jp/match/emperorscup_2019/news/00022857/ (確認日: 2026年8月12日)
- JFA公式「横浜F・マリノス vs Honda FC 試合情報|天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会」 https://www.jfa.jp/match/emperorscup_2021/match_page/m33.html (確認日: 2026年8月12日)
- Jリーグ公式「大会日程が決定【天皇杯】」(2026年4月10日) https://www.jleague.jp/news/article/33713/ (確認日: 2026年8月12日)
- サッカーキング「天皇杯での“ジャイアントキリング”の歴史…Jリーグが2部制となって以降のJ1勢初戦を振り返る」(2022年6月9日) https://www.soccer-king.jp/news/japan/emperorcup/20220609/1656454.html (確認日: 2026年8月12日)
※本記事は公開情報と編集部レビューをもとに構成しています。独自取材・アンケート・関係者への個別取材は一切行っていません。集計Aは、Jリーグ公式およびJFA公式が発表した第106回の出場枠(J1=20、J2=20、アマチュアシード=1、都道府県代表=47、計88)を分母88で除して構成比を算出したものです(小数第2位を四捨五入)。集計Bは、サッカーキングが公開した第79回〜第101回の「初戦敗退J1クラブ」一覧から、J1クラブが2回戦から登場していた第89回〜第101回を抽出し、大会形式が大幅に変更された第100回を除外した12大会について件数を単純合計(32件)し、12で除して平均2.7件を算出したものです。「相手が大学チーム」の6件は、同一覧に大学名が記載されている試合を数えたものです。集計Cは、本記事の年表に掲載した13件を、ラウンド別・決着方法別に分類して比率を算出したものです(分母13、小数第2位を四捨五入)。いずれも編集部が公開情報をもとに独自に集計したもので、JFAやJリーグの公式統計ではありません。掲載を見送った事例(大会回次・ラウンド・対戦カード・スコアのいずれかが一次情報または確度の高い記録で確認できなかった事例、または未成年・学生個人の評価を避ける編集方針によるもの)があります。年表の「当時J1」は出典記事の表記に従っており、勝った側の当時の所属カテゴリーは、確認できたものを除き明記していません。第106回の組み合わせ・日程は、AFCチャンピオンズリーグエリート2025/26の結果に応じて変更される条項がJリーグ公式に記載されています。試合日程・会場は今後変更される可能性があります。
執筆: SportsPulse 編集部 / 公開: 2026-08-12
📚 次に読む
最終更新日: 2026年8月13日 | 編集方針
次に読む
📅 更新履歴
| 日付 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年8月13日 | 初回公開 |
✅ ファクト再検証
最終検証日:2026年8月13日
SportsPulse 編集部が公開情報をもとに内容を確認しています。情報は確認時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
天皇杯“ジャイアントキリング”名場面史 ―J3・大学生がJ1を沈めた夜(2026年8月26日の2回戦に寄せて)