テレビでサッカーを見ていて、「いまオフサイドじゃないの? なんで副審(ラインズマン)はすぐ旗を上げないの?」と感じたことはありませんか。じつはあの“旗を上げる遅れ”は、副審のミスでも迷いでもなく、VAR時代の正式な運用ルールです。この記事では、その仕組みと理由を3分で整理します。
この記事の結論
副審がわざと旗を下げたまま待つのは「ディレイド・オフサイド・フラッグ(遅らせる旗)」という公式の運用。際どいオフサイド × すぐ得点チャンスになりそうな場面のときだけ、プレーが一区切りするまで判定を保留し、あとからVARで確認するためです。
1. 「遅れる旗」はミスではなく正式な運用
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されてから、副審はすべてのオフサイドで即座に旗を上げるわけではなくなりました。国際サッカー評議会(IFAB)のVARプロトコルに沿った世界共通の指針として、副審は次のように行動します。
- すぐに得点チャンスになりそうな場面で、なおかつ際どい(マージナルな)オフサイドだと感じたときは、旗を上げずにプレーを続けさせる。
- そのプレーが終わってから(ゴールが決まる、または決定機が消えてから)旗を上げ、最初のオフサイドを示す。
2. なぜ遅らせる?──“取り返しのつかないミス”を防ぐため
最大の理由は、早すぎる笛は取り消せないからです。
もし副審が早めに旗を上げて主審が笛を吹いて止めてしまうと、あとからVARが「じつはオンサイドだった」と確認しても、そこで潰れた決定機やゴールはもう戻ってきません。逆に、旗を下げたままプレーを続けさせておけば──
プレーを続けさせた場合
・本当はオンサイド → ゴール/決定機がそのまま正しく生きる
・本当はオフサイド → ゴールはVARであとから取り消せる
つまり「疑わしいときは止めずに続行し、結果が出てから確認する」ほうが、誤って正当なゴールを消すリスクを減らせる、という考え方です。
比較のポイントを押さえる
記事で整理したポイントを踏まえて、比べやすい候補の一つを確認できます。
3. すべてのオフサイドで待つわけではない
誤解されがちですが、明らかなオフサイドは今までどおりすぐに旗を上げます。遅らせるのは、あくまで「際どい」かつ「すぐ決定機になる」場面に限られます。誰の目にも明白なオフサイドでプレーを続けさせても、無駄に危険な接触を生むだけだからです。判断の目安はおおむね次の通りです。
| 場面 | 副審の対応 |
|---|---|
| 明らかなオフサイド | すぐ旗を上げる |
| 際どい+すぐ決定機になりそう | 旗を下げたまま続行→終了後に判定 |
| 際どいが決定機ではない | 通常どおり旗を上げる |
4. デメリットもある
この運用は完璧ではありません。よく指摘される“もやもや”は主に2つです。
- 選手・観客のフラストレーション:オフサイドっぽいのに笛が鳴らず、シュートまでいってから取り消される。「だったら早く止めてよ」という声は根強くあります。
- 負傷リスク:止まると思った選手が全力で競り合い、GKとの交錯などケガにつながる危険。
それでも「正当なゴールを誤って消す」損失のほうが大きいと判断され、世界中のリーグ・大会で標準運用になっています。次に旗が遅れて上がったら、副審が“決定機を守るために待っている”サインだと思って見てみてください。観戦が一段と面白くなります。
出典・参考
・国際サッカー評議会(IFAB)「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)プロトコル」
・プレミアリーグ公式「VAR explained: Delaying the offside flag」
※本記事は公開情報をもとにSportsPulse編集部が整理・解説したものです。
執筆: SportsPulse 編集部
📚 次に読む
【総括】日本 1-2 ブラジル|W杯2026 ラウンド32 — 誇りの45分×2、土壇場に泣いたサムライブルー
【W杯2026 R32】カナダ 1-0 南アフリカ 総括|ユースタキオ劇的弾で開催国がベスト16
【W杯2026】日本 1-1 スウェーデン 総括|無敗で2位通過、ラウンド32はブラジル参考・データ(公式)
最終更新日: 2026年6月21日 | 編集方針
次に読む
📅 更新履歴
| 日付 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年6月21日 | 初回公開 |
✅ ファクト再検証
最終検証日:2026年6月21日
SportsPulse 編集部が公開情報をもとに内容を確認しています。情報は確認時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
