「2歳の球遊びから、世界最高峰の育成組織ラ・マシアへ」。久保建英の道のりは、幼児期の家庭環境づくりと、節目ごとの大胆な環境選びが積み重なってできたキャリアです。2001年6月4日生まれ、神奈川県川崎市出身。小学3年で川崎フロンターレの下部組織に入り、2011年、10歳でFCバルセロナのカンテラ(ラ・マシア)入団テストに日本人として初めて合格しました。
その後はFIFAの制裁による帰国という想定外の逆風をFC東京で乗り越え、18歳でレアル・マドリードへ。現在はレアル・ソシエダードの中心選手として、W杯2026では背番号8を背負いました。本記事では公開情報をもとに久保の生い立ちを整理し、保護者が家庭で生かせるヒントを考えます。
久保建英 基本プロフィール
| 名前 | 久保建英(くぼ・たけふさ) |
|---|---|
| 生年月日 | 2001年6月4日 |
| 出身 | 神奈川県川崎市 |
| ポジション | MF/FW |
| W杯2026 背番号 | 8 |
| 所属(W杯2026時点) | レアル・ソシエダード(スペイン) |
| 経路タイプ | 海外・独自ルート型 |
| サッカー開始 | 2歳(幼児期) |
生い立ちと家庭環境
久保は川崎市麻生区で生まれ、2004年、2歳のときにサッカーを始めました。川崎はのちに久保自身も下部組織に在籍する川崎フロンターレのお膝元であり、身近にJクラブの育成環境がある土地です。幼少期の家庭の方針は、父・建史の著書『おれ、バルサに入る!』(文藝春秋、2012年)で詳しく公開されています。出版社の書籍紹介によれば、「ベビーカーは使わずにはだしで外遊び、テレビは見せずに週20冊の本の読み聞かせ」という、メンタルと体幹を育てる9年間の工夫が記されています。
注目したいのは、その中身が「特別な英才教育」ではない点です。体を動かす遊びの総量を増やすこと、生活の中に本と対話の時間をつくること。いずれも、どの家庭でも今日から取り入れられる習慣です。サッカーの技術指導の前に、まず遊びと生活習慣の設計があった。これが久保家の出発点でした。専用グラウンドも高額な道具も登場しない代わりに、親が手間と時間をかける。教育投資の第一歩は「お金」より「習慣」だと教えてくれる事例です。
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小学生時代 — サッカーとの出会い
久保のクラブ遍歴は、地元の坂浜サッカークラブや百合ヶ丘子どもサッカークラブといった身近な場所から始まっています。その後、FCパーシモンでプレーし、東京ヴェルディのサッカースクールにも通いました。最初から強豪一直線ではなく、家から通える環境で楽しみながら力をつけていった時期です。
転機は2009年8月。「MVPに選出された選手はバルセロナと試合ができるチャンスが与えられる」という告知を見て参加したFCバルセロナキャンプで、8歳の久保は実際にMVPに選ばれます。翌2010年4月にはバルセロナスクール選抜としてベルギーの国際大会に参加し、チームは3位ながら、通常は優勝チームから選出される大会MVPに輝きました。2010年からは川崎フロンターレU-10に所属し、2学年上にあたるU-12の試合に出場するほどの実力を示しました。そして2011年8月、ラ・マシアの入団テストに日本人として初めて合格。原則として地元出身の選手しか入れない狭き門を、10歳で通過しました。
ここで大事なのは、「近所のクラブ→スクール→Jクラブ下部→海外」と、力量に応じて段階的に環境を引き上げていった順番です。目の前の環境で突出してから次へ進む。この積み上げ方は、多くの家庭の進路選びにそのまま応用できます。
中学・高校年代 — 岐路と転機
順調に見えたバルセロナ生活は、思わぬ形で中断します。クラブが18歳未満の外国人選手の獲得・登録を巡ってFIFAの制裁を受け、久保は公式戦に出場できない期間が続きました。2015年3月、13歳で帰国を決断し、FC東京U-15むさしに加入します。
ここからの巻き返しが、久保のキャリアの真骨頂です。2016年には中学3年でFC東京U-18へ飛び級昇格し、日本クラブユース選手権では大会史上初めて中学生で得点王を獲得。同年11月には15歳5カ月でJ3の試合に出場し、Jリーグ史上最年少出場記録を更新しました。2017年4月には15歳10カ月でJリーグ最年少得点も記録しています。
帰国当初から大きな注目を集める立場でしたが、FC東京の下部組織では中学生ながら年上に混ざって実戦を重ね、周囲の期待を実力で更新し続けました。「世界最高の育成組織にいたのに、試合に出られない」という理不尽な状況に対して、久保家は肩書に固執せず、実戦機会を最優先して環境を変えました。閉ざされた扉の前で待ち続けるのではなく、開いている扉から入り直す。中学年代の環境選びで迷う保護者にとって、示唆の大きい決断です。
プロ入りから日本代表へ
2017年11月、16歳でFC東京とプロ契約。2018年には出場機会を求めて横浜F・マリノスへ期限付き移籍し、J1歴代2位の年少記録となるリーグ初得点を挙げました。久保はのちに公開インタビューで、この期限付き移籍を通じて「なぜ試合で使ってくれないのか」という外向きの意識が「自分に足りないものは何か」へ変わったと振り返っています。10代のうちに視点を切り替えられた経験が、その後の欧州挑戦を支えました。2019年にFC東京へ復帰して主力に定着すると、18歳の誕生日を迎えた直後の同年6月、レアル・マドリードへの完全移籍が発表されます。
その後もマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、再びマジョルカと期限付き移籍で「試合に出続けること」を優先し、2022年7月にレアル・ソシエダードへ完全移籍。2022-23シーズンはリーグ戦9得点と飛躍し、クラブの年間最優秀選手に選出。2023年9月には日本人として初めてラ・リーガの月間最優秀選手にも選ばれました。
ピッチ外の成長も見逃せません。バルセロナ時代に身についたスペイン語は現地メディアが認めるほど流暢で、英語での対話も苦にしません。10歳での海外挑戦は、語学と異文化への適応力という一生ものの副産物も生みました。日本代表デビューは2019年6月、18歳になった直後で、史上2番目の若さでした。東京五輪では3試合連続ゴールを記録し、2022年カタールW杯ではドイツ戦・スペイン戦に先発。そしてW杯2026では背番号8として、無敗でグループステージを2位通過(第3戦はスウェーデンと1-1)したチームを支えました。ラウンド32のブラジル戦は1-2で悔しい敗退となりましたが、試合後、ピッチに崩れ落ちた上田綺世を助け起こす姿が報じられ、チームの精神的支柱としての成長も印象に残りました。
保護者が学べる3つのこと
- 幼児期は「遊びの設計」が最大の投資 — 久保家が実践したのは、外遊びと読み聞かせという再現性の高い習慣づくりでした。専門的な指導より先に、体と考える力の土台を家庭でつくる。この順番が、後の吸収力を支えています。
- 環境は「段階的に」引き上げる — 近所のクラブから始め、突出するたびに一段上へ。子どもの現在地に合った環境で成功体験を積ませてから次に進む順番は、クラブ選びや習い事全般に応用できる考え方です。
- 扉が閉ざされたら、こだわらずに動く — バルセロナ在籍という「肩書」より、公式戦に出られる環境を優先して帰国を決断。所属先の名前ではなく実戦機会で進路を判断する軸は、部活・クラブ選びの迷いを整理してくれます。
よくある質問
Q. 久保建英は何歳からサッカーを始めた?
A. 2004年、2歳のときにサッカーを始めました。地元川崎の身近なクラブからスタートし、8歳で参加したFCバルセロナキャンプでMVPに選ばれています。
Q. 久保建英はどんな経路で日本代表になった?
A. 川崎フロンターレ下部→バルセロナのカンテラ→FC東京→レアル・マドリード→ソシエダードという海外・独自ルート型。2019年、18歳直後にA代表デビューしました。
出典・参考
- JFA「SAMURAI BLUE、FIFAワールドカップメンバーに森保監督『勝つための最高の26人』」(2026-05-15発表・確認日2026-07-25)
- Olympics.com「久保建英とバルセロナ。入団の経緯とバルサ時代のプレーぶりとは?」(確認日2026-07-25)
- 文藝春秋BOOKS『おれ、バルサに入る! 夢を追いかけるサッカー・キッズの育て方』久保建史(書誌・確認日2026-07-25)
- FC東京公式「【追記】久保建英選手 レアル・マドリードへ完全移籍のお知らせ」(確認日2026-07-25)
- サッカーダイジェストWeb「久保建英に起こされて…上田綺世が立ち上がれなかったブラジル戦での無念【W杯】」(確認日2026-07-25)
各URLの確認日: 2026年7月25日
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執筆: SportsPulse 編集部
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最終更新日: 2026年7月25日 | 編集方針
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📅 更新履歴
| 日付 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年7月25日 | 初回公開 |
✅ ファクト再検証
最終検証日:2026年7月25日
SportsPulse 編集部が公開情報をもとに内容を確認しています。情報は確認時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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