1978-79 / 1979-80(連覇)
1977-78(昇格 1 年目)
席City Ground
Trent 川沿い、1898 開場
世界 2 番目のプロサッカークラブ
Brian Clough 黄金期
Marinakis 体制で復活
クラブ史と “Tricky Trees” — 1865 創設からの 161 年
Nottingham Forest Football Club は 1865 年に Nottingham 市内のシニア野球クラブから派生して創設された。同じ Nottingham 市にある Notts County(1862 年創設、世界最古のプロサッカークラブ)に次いで 世界で 2 番目に古いプロサッカークラブとして、英国フットボール史の起源そのものを担っている。本拠地は Trent 川沿いの City Ground(1898 年開場、収容能力 30,332 席)で、Notts County のホーム Meadow Lane と Trent 川を挟んで対峙する独特の地理的構造を持つ。
クラブカラーは 「Garibaldi Red(ガリバルディ・レッド)」と呼ばれる深紅。1865 年のクラブ創設時、当時のイタリア統一運動指導者 Giuseppe Garibaldiがイギリスを訪問した直後で、彼の “Red Shirts(赤シャツ隊)” にちなんでカラーを採用したという伝承がある。ニックネームは 「The Tricky Trees(巧みな木々)」「The Reds」「Forest」。クラブのアンセム「Mull of Kintyre」(Paul McCartney 作)は試合前に必ず歌われる。
クラブ史を語るうえで欠かせない事実は、サッカー界で初めての多くの “First” を持つ歴史。1878 年に 世界初のシンガード(脛当て)を使用、1891 年に 世界初のクロスバー導入、1924 年に 世界初のホームジャージのナンバリング導入など、現代サッカーの基礎を築いたパイオニアクラブのひとつだ。
Brian Clough 18 年体制 1975-1993 と奇跡の物語
ブライアン・クラフ(Brian Clough、1935-2004)は、英国フットボール史上最も偉大な監督のひとり。Derby County で 1971-72 First Division 制覇を達成した後、Leeds United で 44 日で解任という挫折を経験、1975 年 1 月に当時 2 部の Nottingham Forest 監督に就任した。アシスタントの Peter Taylor との「Clough-Taylor 二人三脚」は、英国フットボール界のレジェンドペアとして永遠に語り継がれている。
Clough の特徴は 「カリスマ的指導力+シンプルな戦術+徹底的な規律」。選手の自信を引き出す才能、メディアでの率直な発言(ある意味の暴言含む)、勝利への執念で「Old Big ‘Ead(古き大ぼら吹き)」と自称した。彼の名言「“I wouldn’t say I was the best manager in the business, but I was in the top one.”(自分が業界最高の監督とは言わないが、トップ 1 には入っていた)」は英国フットボール史の名場面のひとつ。
1977-78 First Division 制覇と 1979-80 欧州 CC 連覇
Clough 体制の Forest は、1975 年就任時に 2 部 13 位だったクラブを、わずか 3 年で英国王者へ押し上げた。1976-77 シーズンに 2 部優勝+ First Division 昇格、続く 1977-78 シーズンに昇格 1 年目で First Division 制覇。これは英国フットボール史上 「3 度目の昇格直後優勝」という、20 世紀において Preston North End(1888-89)、Ipswich Town(1961-62)に次ぐ偉業だった。
続く 1978-79 シーズンに UEFA Champions Cup(欧州チャンピオンズカップ、現 UCL)に初参戦。ラウンド 1 で当時の欧州王者 Liverpool を 2-0(合計)で撃破するという衝撃のスタートを切り、その後 Köln、Grasshoppers などを次々と倒して決勝進出。1979 年 5 月 30 日、ミュンヘン Olympiastadion で対 Malmö FF(スウェーデン)戦に 1-0 で勝利、Trevor Francis の決勝点でクラブ史上初の欧州制覇を達成した。
続く 1979-80 シーズンに 2 連覇を達成。1980 年 5 月 28 日、マドリード Santiago Bernabéu Stadium で対 Hamburger SV(西ドイツ)戦を 1-0 で制し、John Robertson の決勝点で連覇を実現した。英国クラブとして欧州チャンピオンズカップを連覇した史上 2 番目のクラブ(Liverpool 1977-78 に次ぐ)として、Forest の名は永遠にフットボール史に刻まれた。
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1990 年代後半の没落と 23 年の Championship 期
Clough は 1993 年 5 月に 18 年間の指揮を勇退。その直後の 1992-93 シーズンに Premier League 発足 1 年目に降格、その後復帰と降格を繰り返し、1999 年に最終的に PL から完全離脱。以降 2022 年まで実に 23 年間、Championship(2 部)以下に滞在するという、Clough 黄金期からは想像できない長い暗黒期に入った。クラブの財政も悪化し、何度かオーナー交代を経験する不安定期が続いた。
この 23 年間で Stuart Pearce のクラブ・レジェンド時代(左 SB / Captain Fantastic)、Sean Dyche などの監督経験、2007 年に 3 部(League One)まで降格するという屈辱期も含まれる。だが Forest サポーターは決して見捨てず、City Ground は常に 25,000 人以上の動員を維持し続けた。
Marinakis 2017 買収と 2022 PL 復帰
2017 年 5 月、ギリシャの海運業界の大富豪 Evangelos Marinakis(Olympiacos オーナー、海運業 Capital Maritime)が Forest を買収。Marinakis は ギリシャ Olympiacos と Portuguese Rio Ave も所有する “マルチクラブ・オーナー” で、Forest 買収後は 同じ Marinakis 系列クラブ内の選手交流を戦略の中心に据えた。
Marinakis 体制下、Aitor Karanka → Martin O’Neill → Sabri Lamouchi → Chris Hughton → Steve Cooperと監督を交代しながら段階的に競争力を構築。2021-22 シーズンに Steve Cooper 監督下で Championship 4 位フィニッシュ、プレーオフ決勝で Huddersfield Town を 1-0 で破り、23 年ぶり PL 復帰を達成した。これは Wembley での Brennan Johnson(後に Spurs へ移籍、2024-25 EL 決勝得点者)の決勝弾という、感動的な瞬間だった。
2022-23 PL 復帰シーズンは 夏に 30 人以上の補強という史上最大の “リシャッフル” を実施、何とか PL 残留を確保。続く 2023-24 シーズンに Nuno Espírito Santo(ポルトガル、12月就任)が監督に就任、PL 17 位で残留した。2024-25 シーズンは PL 7 位(65 pt)と大躍進、Conference League 出場権を獲得した。
Postecoglou 2025 招聘と再建
2025 年 9 月、Nottingham Forest は Nuno を成績不振を理由に解任、後任に Ange Postecoglou(オーストラリア / ギリシャ系、1965 年生)を招聘した。Postecoglou は同年 5 月に Tottenham Hotspur で Europa League 17 年無冠破る制覇を達成した直後、PL 17 位の不振で 6 月に解任されたばかり。Marinakis(ギリシャ系)と Postecoglou(ギリシャ系)の文化的親和性が招聘の背景にあったとされる。
Postecoglou は Yokohama F.Marinos(J リーグ 2019 制覇)→ Celtic(SPFL 2 連覇)→ Spurs(EL 2024-25 制覇)と 各リーグで初年度から結果を出す実績を持つ。Forest では 「アタッキングフットボール」の戦術 — 4-3-3 ハイライン + 後方ビルドアップ + 両 WG のカットイン — を持ち込み、残留争いから上位復帰への再建を目指している。
2025-26 主力ロスター(10名)
PL 順位推移と主要タイトルの系譜
| シーズン | 順位 | 勝点 | 監督 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1977-78 | 優勝 | — | Clough | First Division 制覇 / 昇格 1 年目 |
| 1978-79 | 2位 | — | Clough | 欧州 CC 制覇 vs Malmö 1-0 |
| 1979-80 | 5位 | — | Clough | 欧州 CC 連覇 vs Hamburg 1-0 |
| 1998-99 | 20位 | 30pt | Bassett | PL から最終離脱、長い暗黒期へ |
| 2007 (3部) | — | — | — | League One(3 部)まで降格の屈辱 |
| 2021-22 (Champ.) | 4位 | — | Cooper | プレーオフ優勝で 23 年ぶり PL 復帰 |
| 2024-25 | 7位 | 65pt | Nuno | Nuno 体制で大躍進、Conference 出場 |
| 2025-26 | 16位(5月時点) | 42pt | Nuno → Postecoglou | 残留争い、Postecoglou 9 月就任 |
City Ground 観戦ガイド
City Ground は 1898 年 9 月開場、収容能力 30,332 席のスタジアム。Trent 川の南岸、Nottingham 市中心部から徒歩約 20 分の距離に位置し、同じ Trent 川を挟んで Notts County の Meadow Lane(約 280m)と隣接する。世界で最も近接する 2 つのプロフットボールスタジアムとして、ギネス記録に登録されている。
アクセスは Nottingham 駅から徒歩 20 分 / 専用シャトルバス。試合チケットは クラブ公式(nottinghamforest.co.uk)と Forest Family経由が基本。スタジアム周辺の Trent 川沿いには 「The Trent Bridge Inn」などの伝統的パブが集まり、試合前後の散策と組み合わせて楽しめる。Trent 川クルーズも観光名物だ。
サポーター文化と Notts County 対決
フォレストのサポーターは 「Tricky Trees」「The Reds」「Forest Family」と呼ばれる。コアサポーターは The Trent End(南スタンド)に集結し、独自のチャント文化で City Ground を熱狂で包む。クラブのアンセム 「Mull of Kintyre」は Paul McCartney 作の楽曲、試合前に必ず歌われる伝統的な曲だ。
伝統的なライバルは Derby County との「East Midlands Derby」(Brian Clough の前職クラブ同士の対決)、そして同じ Nottingham 市の Notts County との “Bridges Derby”(Trent 川の橋を挟む両クラブの対決、現在 Notts County は EFL)。両ダービーが現在実現する機会は限られているが、伝統的な対立構造は今も維持されている。
2025-26 Nottingham Forest を語るうえでの5つのチェックポイント
- Postecoglou 体制の残留挑戦 — 9 月就任、PL 16 位からの脱出が最大課題。
- Marinakis マルチクラブ運営 — Olympiacos / Rio Ave との人材交流戦略。
- Brian Clough 遺産の継承 — 1979-80 欧州 CC 連覇の伝統を現代へどう繋ぐか。
- Wood × Gibbs-White × Hudson-Odoi の攻撃軸 — 2024-25 7 位達成の中核継続。
- 2025-26 UEFA Conference League 経験 — 国際大会での実績作り。
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執筆: SportsPulse 編集部 / 更新: 2026-05-13

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