上田綺世の道のりをひと言で表すなら、「ユース昇格を見送られた挫折を、高体連と大学で覆し、欧州の得点王まで駆け上がったキャリア」です。1998年8月28日生まれ、茨城県水戸市出身。中学時代に鹿島アントラーズの育成組織でプレーしながらユースへの昇格は叶わず、鹿島学園高校、法政大学と回り道を選びました。
しかしその回り道こそが、上田を大きくしました。大学在学中にA代表へ初選出され、憧れの鹿島にプロ入り。ベルギーを経てオランダの名門フェイエノールトに移籍し、2025-26シーズンは31試合25得点で日本人初のエールディヴィジ得点王に輝きます。W杯2026では背番号18としてエースの役割を担いました。挫折からの「選び直し」の物語を、保護者の視点でたどります。
上田綺世 基本プロフィール
| 名前 | 上田綺世(うえだ・あやせ) |
|---|---|
| 生年月日 | 1998年8月28日 |
| 出身 | 茨城県水戸市 |
| ポジション | FW |
| W杯2026 背番号 | 18 |
| 所属(W杯2026時点) | フェイエノールト(オランダ) |
| 経路タイプ | 大学経由型 |
| サッカー開始 | 小学生年代(地元・吉田ケ丘サッカースポーツ少年団) |
生い立ちと家庭環境
上田は水戸市で生まれ育ち、市立吉田小学校時代に地元の吉田ケ丘サッカースポーツ少年団でサッカーを始めました。全国的に名の知れた強豪クラブではなく、地域の少年団からのスタートです。茨城県は鹿島アントラーズと水戸ホーリーホックを擁するサッカーどころであり、身近にプロの存在を感じられる土地柄が、少年の目標設定を自然と高くしていきました。
家庭環境について本人や家族が詳細に語った大手メディアの記事は限られているため、本記事では踏み込みません。確かなのは、水戸から鹿嶋方面の育成組織へ通い続けるという、家庭の継続的な送迎・サポートなしには成立しない中学時代を送っていたことです。子どもの「通いたい環境」を支える移動と時間の投資は、地方在住の育成年代に共通する現実的なテーマといえます。
小学生時代 — サッカーとの出会い
少年団でプレーしていた上田は、小学生のうちから得点感覚に優れた選手として頭角を現し、中学進学時に鹿島アントラーズノルテのジュニアユースに加入します。名門鹿島の育成組織の一員になったことで、「いずれはユースへ、そしてトップへ」という道筋が見え始めた時期でした。
この時期の上田について特筆すべきは、ゴールから逆算してプレーを組み立てる思考が早くから備わっていたと後年評価されている点です。のちにNHKや各メディアが取り上げた「観察眼」──味方や相手、ゴールの位置を絶えず確認しながら動き直すスタイル──の原型は、育成年代の反復の中で培われたものです。
派手なドリブルよりも、点を取るための位置取りと駆け引き。地味に見える強みは、足の速さや体格と違って数値化しにくく、ジュニア年代の評価では見落とされがちですが、プロの世界では最も高い値のつく能力の一つになりました。わが子の強みが「見えやすい能力」でない場合ほど、親が焦らず見守る意味があります。
中学・高校年代 — 岐路と転機
中学3年時、上田はキャリア最初の大きな挫折を経験します。鹿島ユースへの昇格が見送られたのです。当時の上田は身長170センチほどで、体の線が細く、フィジカルの未成熟さが理由と伝えられています。FOOTBALL ZONEの記事によれば、上田はこの挫折に「いつか戻ってやる」と誓い、その後の進路を決めました。
進学先に選んだのは、鹿島の街にある強豪・鹿島学園高校でした。クラブユースではなく高体連の舞台に移っても、アントラーズの本拠地のそばでサッカーを続けるという選択です。高校で経験を積み、卒業後はスポーツ推薦で法政大学へ。ここからの伸びが目覚ましく、1年時から出場機会をつかみ、法政大に35年ぶりの総理大臣杯優勝をもたらす活躍を見せます。2年時には全日本大学選手権(インカレ)優勝にも貢献し、関東大学リーグの新人王やベストイレブンを獲得しました。
「ユースに残れなかったから終わり」ではなく、高体連→大学と評価の場を変えながら、体の成長を待って追い抜く。早熟型が有利に見えるジュニアユース年代の選考と、その後の逆転可能性を象徴する進路です。
プロ入りから日本代表へ
2019年5月、法政大3年在学中に、大学生として9年半ぶりとなるA代表初選出。コパ・アメリカでデビューを果たしますが、決定機を再三決めきれず、悔しさの残る大会になりました。しかし直後の7月、ユニバーシアード日本代表では初戦のアルゼンチン戦で2得点、決勝のブラジル戦でハットトリックを決めて優勝。失敗を最短距離で修正してみせる勝負強さは、この頃から際立っていました。同年7月には内定を前倒しして、かつて昇格を見送られた鹿島アントラーズとプロ契約を結びました(大学は2020年度に卒業)。鹿島では出番を重ねるごとに得点力を伸ばし、3年間で公式戦104試合47得点。2021年には東京五輪代表にも選ばれ、2022年には開幕からの活躍でJ1月間MVP(2・3月)を受賞しました。同年7月、ベルギーのサークル・ブルッヘへ完全移籍。1年目からリーグ22得点で得点ランキング2位に入り、ベルギーリーグの日本人最多得点記録を塗り替えました。
2023年8月、5年契約でオランダの名門フェイエノールトへ。1年目は絶対的なエースの控えに回り、出場機会に恵まれない時期が続きましたが、シーズン終盤にチャンスをつかむと3試合連続ゴールで流れを変えました。在籍中にKNVBカップ、ヨハン・クライフ・スハールのタイトルも経験し、2025-26シーズンについに完全ブレイク。31試合25得点で2位に大差をつけ、日本人初のエールディヴィジ得点王に輝きました。
代表では2022年カタールW杯でコスタリカ戦に先発。2023年11月のW杯アジア2次予選ミャンマー戦で代表初のハットトリックを達成し、2024年のアジアカップではチーム最多の4得点を挙げるなど、エースストライカーの座を固めていきました。W杯2026では背番号18。日本は無敗でグループステージを2位通過(第3戦はスウェーデンと1-1)しましたが、ラウンド32のブラジル戦で1-2の敗退。上田はこの試合で前半にヘディングシュートを枠のわずか外に外し、試合終了後はピッチに崩れ落ちて立ち上がれず、久保建英に助け起こされる姿が報じられました。挫折のたびに強くなってきたストライカーの、次の4年が始まっています。
保護者が学べる3つのこと
- 体の成長スピードは実力と別物と知る — ユース昇格見送りの理由は、技術や得点感覚ではなくフィジカルの未成熟でした。発育の早い遅いで序列が決まりやすい中学年代の評価は、将来の上限を示すものではありません。上田はその後も伸び続け、欧州で体を張れるFWに育ちました。焦って結論を出さないことが大切です。
- 評価の場を変える選択肢を持つ — クラブユースがだめでも、高体連、大学と日本には複線のルートがあります。上田は場を変えるたびに評価を上げました。「どこで輝けるか」で環境を選び直す柔軟さが、キャリアを救います。
- 悔しさは目標に変換する — 「いつか戻ってやる」という誓いは、6年後に現実になりました。挫折の直後に、感情を具体的な目標へ言語化できるかどうか。そばにいる大人の声かけが、その分岐を支えます。
よくある質問
Q. 上田綺世は何歳からサッカーを始めた?
A. 小学生時代に地元水戸の吉田ケ丘サッカースポーツ少年団でサッカーを始め、中学からは鹿島アントラーズノルテのジュニアユースでプレーしました。
Q. 上田綺世はどんな経路で日本代表になった?
A. 鹿島の育成組織からユース昇格ならず、鹿島学園高校→法政大学へ。大学在学中の2019年にA代表初選出という大学経由型で、憧れの鹿島にプロ入りしました。
出典・参考
- JFA「SAMURAI BLUE、FIFAワールドカップメンバーに森保監督『勝つための最高の26人』」(2026-05-15発表・確認日2026-07-25)
- FOOTBALL ZONE「『いつか戻ってやる』 鹿島加入内定の法政大FW上田綺世、中学時代の挫折に誓った決意」(確認日2026-07-25)
- ゲキサカ「上田綺世が日本人初のオランダ得点王! 31試合25ゴール…欧州主要1部リーグでの得点王も初」(2026-05・確認日2026-07-25)
- 鹿島アントラーズ公式「上田選手のサークル・ブルージュKSV完全移籍合意」(確認日2026-07-25)
- サッカーダイジェストWeb「久保建英に起こされて…上田綺世が立ち上がれなかったブラジル戦での無念【W杯】」(確認日2026-07-25)
各URLの確認日: 2026年7月25日
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執筆: SportsPulse 編集部
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最終更新日: 2026年7月25日 | 編集方針
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📅 更新履歴
| 日付 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年7月25日 | 初回公開 |
✅ ファクト再検証
最終検証日:2026年7月25日
SportsPulse 編集部が公開情報をもとに内容を確認しています。情報は確認時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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